MOVING
―物流部 【製品課/運輸課/倉庫課】
当社物流部が、何より大切にしているのは、お客様とお約束した製品品質を保って、安全・確実、かつ効率的な物流サービスを提供することです。そのためには、作業一つひとつで”慣れ”に甘えることなく、工場からお届け先までの全プロセスで緊張感をもった対応と、蓄積してきた化学製品取扱いの知見・スキルに磨きをかけていかなければなりません。物流部が担当する三つの事業を紹介する中で、その特色と日々の取組みをお伝えします。
化学製品に特化した車両と人が、
安全・確実・効率的な輸送を実現
運輸事業ー様々な化学製品に適した専用車両を活用
運輸業務においては、ローリー、トラクター、ISOコンテナ※、トラックなど各種車両により、様々な化学製品を安全・確実・効率的にお客様にお届けしています。大量輸送を可能にするISOコンテナをはじめ、危険物や毒劇物を安全に運ぶ専用ローリーや粉体製品用ローリー、融点の高い製品を運ぶ加温式ローリー※など、製品の特性に合わせた車両を保有し、多様な物流ニーズにお応えする体制が整っているのも、化学製品物流を専業とする当社ならではの特長です。
また、協力会社との物流ネットワークの構築により、繁忙期にも必要車両を確保し、遅延なく輸送業務を遂行するのに加え、鉄道コンテナ輸送やRORO船輸送※などのモーダルシフトにも対応。CO2削減やコスト削減に寄与しています。
※印については下段コラムにて解説
化学製品に精通したドライバーが
エコドライブを追求
当社のドライバーは、危険物取扱者資格等を取得し、化学製品に精通しており、あらゆる状況下で輸送の安全と製品の品質を守ります。車両に関するドライバーの知見も深く、点検・メンテナンスなども自ら行い、整備の行き届いた車両で製品をお届けしています。また、当社保有の全車両には、クラウド型のデジタルタコグラフが搭載され、輸送中の運転状況を運転管理者がリアルタイムで把握してトラブル等に備えるとともに、運転データを基に、より一層のエコドライブを追求しています。
さらに環境負荷の少ない低公害車の導入やエコタイヤ、エコオイルの使用も進め、当社はグリーン経営の永年表彰を獲得。プライベートでも安全運転を徹底し、安全性優良事業所認定や岡山県の優秀安全運転事業所表彰(金賞)を受賞しています。
当社は、安全対策に関する最新情報を協力会社とも共有するほか、社内外での研修等を通じ、ドライバーのスキルアップに日々取り組んでいます。また、アルコールチェックはもとより、ドック検診等によるドライバーの健康管理も怠らず、事故・トラブルのない安全輸送に努めています。
倉庫事業―外部倉庫とのネットワークも構築し、
安全かつタイムリーに保管・出荷
倉庫業務においては、物流センターと南倉庫を自社所有し、トラック輸送に対応する化学製品の出入庫、保管・管理を行っています。営業倉庫の認可を受けた物流センターは、収容能力1,000トンの移動式ラック、ドライコンテナ4基を同時に設置可能なプラットホームを備え、総収容能力は3,000トン超。主にMGCおよびグループ会社の製品倉庫の拠点として営業しています。また、同センターは、保税蔵置場として登録され、海外への輸出基地としても機能しています。
製品の保管・管理に当たっては、入出庫時の検査に加え、日々庫内のパトロールを実施し、荷崩れなどによる積荷の損傷が起きないよう万全を期しています。また、トラックの積載量を最大化するパレットの組み合わせの工夫等も行い、安全・迅速・効率的な入出庫を追求。さらに、電動フォークリフトの導入も進め、環境負荷の低減を図っています。
一方、南倉庫はMGC水島工場構内にあり、物流センター同様、安全性高く保管・管理を行うとともに、水島工場で生産された化学製品をスピーディーに出荷します。当社は外部倉庫とのネットワークも構築し、各種製品をお客様のもとへタイムリーに送り出す出荷体制を整備しています。
物流受発注事業―お客様や社内各部署と連携し、
最適な物流計画の遂行をサポート
物流受発注業務は、梱包・充填から、出入庫、輸送、輸出まで、すべてのフローをコントロールする物流の要です。当社は、MGCおよびグループ会社の物流受発注を代行管理しています。一連の物流業務をトータルに手掛けている当社だからこそ、受発注業務を委託することにより、各業務間の調整をスムーズに行うことが可能になり、最も効率的な物流計画をプランニングできます。
この業務には、現場経験も豊富なベテランスタッフが当たり、お客様とも緊密に連携し、その生産計画を基に、ロスの少ない最適な出荷・輸送スケジュールを組み立てます。急な出荷依頼に対しても、社内の各部署と迅速にすり合わせを行い、お客様とも相談して納期調整し、指定の日時に確実に製品をお届けできるように段取ります。
担当スタッフは各部署と常時コミュニケーションを取り、現場の状況を把握するとともに、納入先に関する情報も収集して社内に発信。物流の全工程を俯瞰しながら、的確なハンドリングを行うことで、円滑でトラブルのない化学製品物流を支えています。
物流用語ミニコラム
ISOコンテナ
ISOコンテナは、品質管理の国際規格であるISO規格に基づく高い強度と耐久性を備え、危険物を一般の貨物と同様に海陸一貫輸送することができるタンクコンテナ。ドラム缶約100本分の液体を一度に運ぶことも可能で、内容物を移し替えることなく、トラクターのシャーシ(荷台)や貨物船にタンクをそのまま積載できるため、物流の効率化が図れます。
加温式ローリー
融点の高い製品を加温し、液体状にしたまま運ぶタンクローリーです。融点の高い液体化学製品を輸送する場合、外気温によって製品の温度が融点以下に下がると凝固してしまい、そのままでは抜き取れないケースがあります。そのため、タンクの外周を保温材と外板で覆ったローリーを使い、液温を保ちながら輸送を行うのです。
RORO船
フェリーのようにランプ(船と岸壁とを橋渡しするスロープ)と車両甲板を備え、貨物を積んだトラックなどの車両やシャーシごと輸送する貨物船です。ランプと車両甲板のおかげで、車両はクレーンなどに頼らず自走で船に乗り降りすることができます。トラックの走行時間や荷役時間を大幅に短縮できるため、CO2の排出や物流コストの削減にも寄与します。